和訳先渡し授業の経過報告(1)2006年05月13日 23:37

 先月お伝えしたとおり、今年度のReadingは「和訳先渡し方式」で行っています。すでに例の本をお読みになった方はご存じのことですが、「和訳先渡し方式」という命名は、授業の最大の特徴を端的に言い表しただけです。したがって、この方式の核心部分は和訳を先に渡すことによって、いちいち英文和訳を授業の中でやる必要がなくなるので、その分の余剰時間をいかに英語のinput(そしてintake)につなげられるかということにあります。つまり、その余剰時間に何を組み入れるかが、教師にとっての腕の見せ所になるわけです。

 そこであの本に書いてあった活動を取り入れながら、自分でもいくつか活動を考えながら、授業を進めています。そうすると、けっこうペアで行う活動が増えてきます。ときには授業がペア活動とChorus Readingだけのときもあります。最初にこの形式の授業を始めたときは「はたして高三にもなって、ペア活動をやるか」という疑問がありました。また、OCの授業でもないのに(つまり個々のOral Workが平常点に算入されるわけでもないのに)ペアでのOral Workに取り組むのか、という疑問もありました。

 しかし実際にやってみると、生徒たちは楽しそうにPair Workに参加していました。そして先週の授業では、むしろ生徒たちはIndividual WorkよりPair Workのほうが、やりやすいのではないかという光景を目にしました。

 それは本文の暗唱を目指して、制限時間付きの音読やShadowing等をやっている一連の活動の中で起きました。Read and Look Upをやるときに、最初のクラスでは、ペアにしてLook Upするときに相手の顔を見るという指示を出しました。しかし次のクラスでは、なにもペアにする必要はない(一人でやれば、ペアでやるときの半分の時間で終わる)と思い、各自でやるよう指示を出しました。ところがそれでやったのは数人に過ぎませんでした。それならばと思って、いつものペアでやるよう指示を出したら、ほぼ全員が取り組みました。

 高校の授業ではOC以外はあまりPair Workは取り入れないと思いますが、今回の体験から少し意識的にPair Workを取り入れてもいいかなと感じ始めています。